はじめてでもできる Maxima のインストール(Windows XP 編)
STEP 0 ..... はじめに
Maxima の Windows 用バイナリは公式サイト
http://maxima.sourceforge.net/
から入手できます*1が、SourceForge の仕組みを理解していない人には分かりにくいようです。このページでは、はじめてパソコン(Windows XP)にさわる人にも分かるように、Maxima のインストール手順をまとめています。
※ 下記は Maxima 5.12.0 用の記述です。最新版 5.26.0 ではダウンロード画面(方法)が若干変更されていますが、全く同様の手順でインストールできるはずです。
*1 トップページの更新は遅れ気味ですが、Maxima の開発は滞りなく常時継続しています。
STEP 1 ..... ファイルの入手(最新版 Maxima 5.26.0 はコチラからダウンロードできます。)
Windows 用の Maxima は SourceForge のダウンロード・ページ
http://sourceforge.net/projects/maxima/files/
から入手できます。上記にはこれまでに開発チームがリリースしてきた(ほとんど)全てのファイルが置かれていますが、Windows ユーザにとって必須のファイルは基本的に拡張子が exe のファイル(maxima-5.12.0.exe)1 つだけです。
赤枠の「maxima-5.12.0.exe」をクリックすると、複数のミラーサイトから適切なサイトが(ランダムに)選択され、自動的にダウンロードが始まります。ただし、セキュリティ設定を正しく行っている場合は警告が出てダウンロードは始まりませんがウィルスやスパイウェアの類ではありませんのでご安心ください。
赤枠の部分「this direct link」をクリックすればダウンロードが始まります。
STEP 2 ..... インストール
ダウンロードした maxima-5.12.0.exe をダブルクリックして、指示に従えばインストールが完了します。念のため重要な画面についてだけ説明しておきます。まず始めに現れるのは、どのソフトウェアにも見られる「使用許諾契約」に対して同意を求める画面です。
Maxima は GPL ですから、利用するだけなら全く制約はありませんが、「万一何らかの問題が発生しても文句を言わない」こと、いわゆる利用者責任の原則に同意しなければなりません。「I accept the agreement」(=同意する)を選択して、次へ進むと、注意が現れます(Maxima のバージョンによって若干異なります)。
現在 Windows 98/Windows ME を使っている人はほとんどいないと思いますので 1 は無視します。2、3 は Maxima が起動しない場合の注意ですが、これについては後述します。続いて、インストールするファイルを選択する画面が現れます(5.9.3 以前のバージョンではこの画面はありません)。
必須のファイルは、一番上のグレー表示されている「Maxima core with comannd line interface」のみです。通常はこの必須ファイルに含まれているコマンドライン版 Maxima を使いますが、何らかの事情で GUI が必要な場合は、2 番目の wxMaxima を選択します。これは wxWidgets を用いた Maxima 用の比較的新しい GUI です。3 番目の XMaxima は Tcl/Tk を用いた昔からある GUI ですが、現在は wxMaxima が十分実用的に機能するため、インストールする必要はありません。4 番目以降のチェックボックスは外国語用ファイルですので不要です。この他、インストール場所(標準は C:\Program Files\Maxima-5.12.0)の選択画面と、スタートメニューやデスクトップにショートカットを作成するか否かの選択画面が現れますが、特別な事情がない限りデフォルトのままで良いでしょう。
STEP 3 ..... 試しに起動してみる
インストールが完了したら、早速 Maxima を起動してみましょう。「スタートメニュー」から「Maxima-5.12.0」を探しだし、その中にある「Command line Maxima」をクリックしてみてください。
(%i1) が入力行です。この後ろに命令を書いて [enter] キーを押すと、計算してくれます。とりあえず正しく起動できたことを確認したら終了しておきましょう。終了するには「quit();*2と書いて [enter] キーを押します。
*2 英単語 quit の後ろに丸括弧 () とセミコロン; を付けます。全て半角です。
Maxima が立ち上がらない!
環境によっては、コマンドプロンプトが一瞬だけ現れて、すぐに閉じてしまう場合があります。原因は Maxima が利用している GCL にあると思われますが、このような症例の場合は、インストール完了後に Windows を再起動してください。再起動しても立ち上がらない場合は、データ実行防止(DEP)が Maxima をブロックしている可能性がありますので、ブロックを解除してみてください。手順は以下のとおりです。
  1. まず、「システムのプロパティ」を開きます(マイコンピュータを右クリックして、「プロパティ」を選択)。
  2. 次に、「詳細設定」タブをクリックし、「パフォーマンス」欄の「設定(S)」ボタンをクリックします。
  3. 表示された「パフォーマンスオプション」にある「データ実行防止」タブをクリックし、
  4. 「次に選択するものを除くすべてのプログラムおよびサービスについて DEP を有効にする(U)」に Maxima の実行ファイルを追加して、「OK」ボタンを押していけば完了です。
それでも Maxima が立ち上がらない場合は、怪しい常駐ソフト(ファイルの更新を監視する類のソフト、例えばセキュリティソフトや年賀状作成ソフト(に含まれる画像管理ソフト)等)をことごとく無効化してみて下さい。
GUI をインストールした場合の注意
「Command line Maxima」が問題なく起動することを確認したら、続いて GUI が起動するか確認してみましょう。単純にスタートメニュー(もしくはデスクトップ)にある wxMaxima(もしくは XMaxima)をクリック(場合によってはダブルクリック)すれば起動するはずですが、セキュリティソフトによってブロックされ、起動できない場合があります。この場合は、ご利用のセキュリティソフトの設定を変更し、wxMaxima(もしくは Tcl/Tk)のブロックを解除して下さい(解除の方法はセキュリティソフトの解説書をご覧ください。)。
wxMaxima でギリシャ文字を表示する(2009/08/22 追記)
バージョン 0.8.3 以降の wxMaxima では、ギリシャ文字の表示に「jsMath 用の TeX フォント」が必要です。「Download TeX fonts for jsMath」から(Windows の場合は)TeX-fonts-25.zip をダウンロードし、通常の手順(「コントロールパネル」→「フォント」)で 6 個のフォント(jsMath-cmbx10.ttf、jsMath-cmex10.ttf、jsMath-cmmi10.ttf、jsMath-cmr10.ttf、jsMath-cmsy10.ttf、jsMath-cmti10.ttf)をインストールして下さい。
Maxima の使い方
Maxima を使うには
Maxima には英語のマニュアルが付属していますが、基本的な使い方なら
日本語による解説書 ..... http://www.muskmelon.jp/maxima/
があります。あるいは、関連ページのリンク集が役に立つかもしれません。
更に便利に使うには
1 ..... imaxima を使う
imaxima を使うと、Maxima の出力結果を美しく表示することが出来ます。
imaxima 公式サイト ..... http://sites.google.com/site/imaximaimath/
imaxima を使うためには、Meadow 等の Emacs 系エディタの他、TeX と Ghostscript が必要です。なお、インストール手順はココにまとめてあります。
2 ..... rlwrap を使う
readline のラッパーである rlwrap を使うと:
  1. タブによる補完が効きます。
  2. 履歴を残せます。
残念ながら rlwrap の Windows 用バイナリは公開されていません。cygwin で作ったバイナリをひっそりとココ(2010/12/22)に置いておきます。この zip ファイルを解凍して、フォルダ rlwrap-0.37 を Maxima をインストールしたフォルダに入れます。rmaxima.bat をダブルクリックすると、Maxima が起動するはずです(Windows XP/7 で動作すると思います)。

(この図は旧版のものです。現行バージョンでは start.bat ではなく rmaxima.bat で起動します。)
【このファイルの中身】
この zip ファイルには 7 個のファイルが入っていますが、 3 つの dll は cygwin から拝借しました(GPL 第 3 節の c による)。rlwrap.exe は cygwin で make したものです。GPL 第 3 節の a により、ソースファイルをココに置いておきますが、改変等は一切行っていませんので、必要なら作者である Hans Lub 氏のホームページから入手することをお勧めします。COPYING は GNU GPL の全文です。builtins-list.txt(旧 .maxima_completions)は Maxima の関数名一覧で、タブ補完の際に利用されます。rmaxima.bat(start.bat)は、bin フォルダ内に入っている maxima.bat を起動するバッチファイルです。
【rlwrap.exe を自分で作るには】
rlwrap の実行ファイルを作るには cygwin が必要です。Windows 用の開発環境はいくつもありますが、Microsoft 社製の Visual Studio や Windows 用の Maxima が使っている MinGW などでは簡単ではないと思います。逆に cygwin なら、インストーラで gcc、make、readline を追加インストールしておけば、単純に ./configure; make で rlwrap.exe が生成されます。
補足 当然のことながら rlwrap は Maxima 専用というわけではなく、様々なアプリケーションソフトに利用できます。例えば、コマンドライン版 Mathematica である math.exe を rlwrap から使うと、全く別のソフトであるかのように快適に使えます。タブ補完用の関数名リストを作る手間はかかりますが、買ったけれども動作の鈍さに辟易し*3、全く使わずにパソコンの肥やしになっている方、是非お試しください。
*3 計算速度の意味ではありません。
【rlwrap を使ってみよう】
例えば、転置行列を求める(transpose)ため trans と入力し、
(%i1) trans
タブキーを 2 回押すと
transbind transform translate_file transrun
transcompile translate transpose
trans で始まる関数・変数の一覧が表示されます。続けて p を入力して、
(%i1) transp
もう一度タブキーを押すと
(%i1) transpose
と補完されます。
合計 3 回もタブキーを押すことになりますが、入力ミスを防げるというメリットがあります。また、実行した命令は
C:\Documents and Settings\アカウント名\.maxima_history
に保存され、次回起動したときも矢印キー(↑↓)で選択出来ますから、同じ命令を繰り返し実行する場合などに大変便利です。
補足 スクロールした状態で命令を実行してしまうと、実行結果が過去の入出力に重なってしまうようです。このような場合は、しばらく [enter] キーを押して無意味な空行を入れてから命令を実行することで一応回避できます。また、日本語入力を ON にすると落ちます。